水道事業ガイドラインは、公益社団法人日本水道協会が、水道事業の多岐にわたる業務を一定の算式によりもとめた業務指標により定量化することで、事業者による評価を促し、サービス水準の向上をはかることを目的としてISO/TC224(水道サービスの評価に関するガイドライン)に基づき平成17年1月に制定した「規格」(JWWA Q 100:2005)です。
その後、新水道ビジョンの策定、東日本大震災による耐震対策の強化、水道関係法令の改正といった水道事業を取り巻く環境の変化などを受け平成28年3月に改訂されました。
この規格により算定する業務指標(PI)は以下の項目に分類されていて、水道事業の概要を表すこととなります。
1.「安心で良質な水」~水道水の安全性をより一層高め、良質な水道水を供給するための 指標(17項目)
2.「安定した水の供給」いつでもどこでも安定的に水道水を供給するための指標(57項目)
3.「健全な事業運営」~健全かつ安定的な事業経営を持続するための指標(46項目)
この業務指標(PI)は、客観的に経営状況、施設整備状況等を把握することができるため、今後の事業計画の見直し等に活用していきます。また、定期的に公表していくことで、事業の透明性を確保するとともに、お客様への説明責任を果たします。
登米市水道事業では、令和5年度の決算を基に業務指標(PI)を別紙のとおり作成しました。
【安定した水の供給】
本市では、安全でおいしい水をお客さまにお届けするため、給水栓における水質の向上に向けて、適切な浄水処理や管路の維持管理に努めるとともに、水源、浄水場及び各家庭の蛇口などで水質検査を定期的に実施しています。(A202 水質検査箇所密度)
また、水道水をよりおいしく感じていただくために、市内各所の配水施設残留塩素濃度計を整備して、残留塩素濃度の低減化や均一化に努めています。(A101 平均残留塩素濃度)
【安定した水の供給】
本市では、高度経済成長以降の水需要の増加に対応するため拡張整備を行ってきた施設が、順次、法定耐用年数を迎えています。(B502 経年化設備率、B503 経年化管路率)
こうしたことから従来から計画的に漏水防止調査や施設及び管路の更新・改良を実施しています。漏水率や管路の事故率の減少に努めています。(B110 漏水率、B204 管路の事故割合)
今後においては今年度策定予定の「施設更新計画」に基づき、日常的な点検・補修とともに、既存施設の使用年数や点検データ及び各種文献などを参考に、水道事業独自で定めた施設の使用年数基準により長寿命化や施設の統廃合・ダウンサイジング等を考慮した効率的な更新により、引き続き施設の老朽化対策の充実を図り、安定した水の供給を確保していきます。(B401 ダクタイル鋳鉄管・鋼管率、B504 管路の更新率、B604 配水池耐震施設率、B605 管路の耐震化率)
一方、水道事業は水道水をつくるために多量のエネルギーや薬品を使用し二酸化炭素や廃棄物を排出していることから、エネルギー使用量の低減に努めるとともに、水道水をつくる過程で発生する浄水発生土の再利用など、環境負荷の軽減に引き続き取り組んでいきます。(B302 配水量1m3当たりの消費エネルギー、B305 浄水発生土の有効利用率、B306 建設副産物のリサイクル率)
本市では、今後直接的に増収につながらない災害対策や老朽化施設の更新・改良事業が増大することが想定されるため、絶えず経営の効率化を念頭において、健全財政の確保に努めています。
【健全な事業経営】
水道事業は、お客さまからの水道料金により必要な経費を賄う独立採算制で運営しており、純損失を計上しています。(C103 総収支比率)
そのほか借金である企業債残高が水道料金の約5倍ありますが、引き続き財務体質の強化を図るため企業債残高の抑制に取り組んでいきます。(C112 給水収益に対する企業債残高の割合)
登米市上下水道部 〒987-0702 宮城県登米市登米町寺池目子待井381番地1